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会議のテーマ

グローバル・ウェルビーイングへの展望:教科等横断型学習における生物教育

シダの葉

Theme
and 
Rationale

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な蔓延を含む大規模な自然災害、そして絶え間なく続く紛争により、私達の社会活動は大きな制約と変更を余儀なくされている。こうした社会の混乱に加え、最先端の科学技術の急速な発展は、日常生活にさらなる不確実性と複雑性をもたらしている。このような状態は一時的ものではなく、ウィズ/アフター・コロナ社会では恒常的なものになると考えられている。VUCA(Volatility、Uncertainty、Complexity、Ambiguity)と呼ばれる社会や生活の大きな変化が生じる時代に対応できる次世代人材の育成は喫緊の課題である。そのための様々な試行錯誤が繰り返されているが、近年、各国で推進されるSTEM/STEAM教育などはその解決策の具体例であろう。

この傾向は、現代社会が抱える難問の解決は単一の教科領域内ではなく、学際的な取り組みによって達成されることを示している。今日、多くの学校で「持続可能な開発目標(SDGs)」で定められた17の目標のいずれかを問題解決のテーマとする取り組みが行われているが、その実現には多様な学問分野との協働による学びが必要なことは言うまでもない。問題解決の核となるのは探究心の育成である。その一方で、近年はレジリエンスやダイバーシティといった新しい概念の導入も学校教育には不可欠となっている。誰もが健康で生き生きと平和に暮らせる調和のとれた世界を築き、SDGsの標語にある「誰一人取り残さない」を達成するために、私達は新しい生物教育の本質を見出す研究に果敢に取り組まねばならない。

このような状況を踏まえ、組織委員会では大会テーマを "Perspectives for global well-being: biology education in the integrated learning (グローバル・ウェルビーイングへの展望:教科等横断型学習における生物教育)"と設定した。参加者の斬新な研究発表や白熱した議論を通じて、AABE2024が新たな提案につながる機会となることを期待する。​

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